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12月12日、福福島県郡山市で開催された「第15回バイオマス科学会議」にて
当社社員と中部大学の二宮善彦教授、東京農工大学の堀尾正靱名誉教授による
共同研究内容の発表を行いました。
■テーマ
ペレットガス化炉におけるクリンカトラブルとその対策
■内容
当社が一部出資している、宮崎県串間市の大生黒潮(おおばえくろしお)発電所での
ペレットガス化炉内におけるクリンカトラブルの事例と対策について。
大生黒潮発電所では、メーカーが要求する欧州ペレット規格EN plus A1だけでなく、
さらに厳しい品質を求められるメーカー推奨値をクリアしたペレットを製造し、
ガス化に用いていたにも関わらず、クリンカトラブルが多発していました。
そこで灰分に着目した分析をしたところ、欧州のペレットと日本のスギペレットでは
灰分組成が違うことが明らかになりました。
つまり、欧州では高い稼働率を実現しているガス化炉でも、日本のスギを用いたペレットでは、
クリンカトラブルによって同様の性能を発揮しないことが分かりました。
また、二宮善彦教授、堀尾正靱名誉教授の協力の元、クリンカ対策技術に研究開発を実施。
結果、平均1~2週間だった運転時間が、最長で1,218時間(約7週間)まで改善しました。
クリンカの抑制効果としては、対策前と比較してクリンカ生成速度が1/10~1/100まで減少。
つまり、ガス化に適さないスギのようなバイオマス材であっても
ガス化が正常に行われるような改質が可能であることが明らかになりました。
その後の総合討論では「一口にペレットと言っても、それぞれ品質や性能が異なる可能性が
あることに留意すべきである」や「本発表から規格を満たしていてもなお、見えない
パラメータによるガス化への影響が示唆されており、その一つとして、欧州の材と日本の材の
違いがある」ということが話題となりました。
▽第15回バイオマス科学会議についてはこちら▽
https://www.jie.or.jp/publics/index/676/
以上