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当社は、宮崎県串間市における地域の防災・減災と低炭素化を同時実現する自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業において、串間市民病院で木質ペレットガス化熱電併給設備(以下、木質ペレットガス化CHP)及び、木質ペレットバイオマス蒸気ボイラーの導入に係る工事を行いました。いずれの設備も、燃料は当社が出資・運営サポートを行う、くしま木質バイオマス株式会社(宮崎県串間市、代表取締役社長:堀口三千年)の大生黒潮発電所で生産される100%地域材の木質ペレットで賄うことが可能です。
■工事概要
・木質ペレットガス化CHP(エントレンコ社製)の設置:
50kWの発電を全量自家消費するとともに、熱利用による温水を施設内に供給し、空調及び、給湯に利用します。発電した電気を全量自家消費させることにより、年間の系統からの電力購入量を26%削減することが可能になります。
・木質ペレットバイオマス蒸気ボイラー(九州オリンピア工業製)の設置:
蒸気を殺菌用として利用するとともに、熱を木質ペレットガス化CHPと同様に温水として施設内で利用します。
※当社工事範囲外で、温水投入型吸収式冷温水機×1台、高効率チラー×1台を設置
■ポイント
① 発生する熱及び電気を全量串間市民病院にて活用するだけでなく、災害時には施設内の非常用発電設備とともに、自立運転によるエネルギー供給が可能です。自立運転が可能な小型の木質ペレットガス化CHPの導入は国内初となります。
② これまで同施設では年間138kLの灯油を使用し、温水と蒸気を供給していましたが、本事業計画上、灯油を木質ペレットに100%代替し、また、木質ペレットガス化CHPで発電した電気を全量自家消費、及び発生する熱を吸収式冷温水機、超高効率水冷チラーにも活用することで、施設の年間CO2排出量の50%にあたる約520tの削減を見込みます。
③ 木質ペレットガス化CHPについては、無人運転で稼働し、ガス化炉に関しては数か月の連続運転が可能です。緊急時には即時対応可能な体制を構築しています。
今後も当社とくしま木質バイオマス株式会社は、大生黒潮発電所の面的展開として、地域内にバイオマス設備の設置を促進し、生産される木質ペレットを供給することで、エネルギーの地産地消に努めて参ります。
■前後のシステム構成
■設備導入後のエネルギー
■設備概要
【木質ペレットガス化熱電併給設備】
・形式:エントレンコ社(独) ENTRENCO E4-50kW
・定格発電出力:50kW
・定格熱出力:120kW
・総合効率:85% (発電効率:25% 熱効率:60%)
・燃料:木質ペレット
・燃料消費量:42~44㎏/h
【木質ペレットバイオマス蒸気ボイラー】
・形式:九州オリンピア工業株式会社 PSB-500N
・蒸気量:500kg/h
・熱出力:313kW
・最高使用圧力:0.98Mpa
・ボイラー効率:83%
・熱電面積:9.7m2
・燃料消費量:(HI)75.5kg/h, (LO)37.8kg/h
・燃料:木質ペレット