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2023.07.07 【100%兵庫県産未利用材】兵庫県朝来市でバイオマス発電~地域に根ざす発電所を基軸に“持続可能な林業”を実現~

当社は、兵庫県朝来市にて計画中の小規模木質バイオマス発電事業について、地鎮祭を執り行いました(2024年春に発電開始予定)。当発電所は、地元の株式会社山田林業(兵庫県姫路市、代表取締役:山田 尚弘)が過半出資する播磨基礎電源株式会社(兵庫県姫路市、代表取締役:山田 尚弘)と地元の建設会社グローバル建設株式会社(兵庫県朝来市、代表取締役:戸田俊治)と当社が3社で共同設立した、生野銀山バイオマス株式会社(兵庫県朝来市生野町新町、代表取締役:山田 尚弘)が発電事業を行います。
発電設備はBEW(BIOENERGIE WEGSCHEID GMBH /ドイツ)社製の熱電併給装置を採用し、発電定格出力900kW(150kW×6台連結)の設備導入となります。本事業について
兵庫県は約67%※1、朝来市は約84%※2という森林率を有し、資源としてのスギやヒノキなどの人工林の多くは、利用可能な林齢に達した森林として年々増加しています。
しかし、木材価格が不安定であることも重なり、林業労働者の減少と高齢化への対策、生産性の向上が課題となり、森林資源を十分に活用できていない状況にあります。
※1:林野庁「都道府県別森林率・人工林率(平成29年3月31日現在)」参照
※2:朝来市ホームページ参照

朝来市では、市民や林業関係者のニーズを把握し、朝来市のあるべき森林の将来像を見定め、それに向けた森づくりの方針やそれらを実現させるための具体的なアクションプランとして、2022年に「朝来市森林ビジョン※3」を策定し、“未来につなげる「あさご森」”という基本理念のもと、森林資源を未来の世代に継承するために実践する“森林の多様な恵みを活かし、市民の暮らしを守り、人々がいきいきと働ける森づくり”を目指しています。
※3:朝来市ホームページ「朝来市森林ビジョン」参照

生野銀山バイオマス発電所では、燃料には兵庫県の未利用材のみを活用し、年間で約10,000tの木材をチップに加工して使用します。発電した電力は固定価格買取制度(FIT制度)を利用し、関西電力送配電へ全量売電する予定です。本システムの発電効率は推定28%で、熱利用も含めると総合エネルギー効率は最大で83%程度を見込んでいます。(一般的な再生可能エネルギーの発電効率は、太陽光発電:約20%、風力発電:約30~40%、水力発電:約80%、地熱発電:約20%、バイオマス発電(蒸気タービン方式):約20%とされています)。
また、発電所から発生する副産物を地域資源として利活用することで、地域のバイオマスセンターの機能を担っていきたいと考えています。


■発電所のコンセプト
・地域に根ざす発電所として“持続可能な林業”を実現し、輸入依存の化石燃料から、兵庫県産の地域材に転換します。

・発電時に生まれる熱は、発電所に併設の燃料製造工場へ供給し、木質チップの乾燥に利用することで持続的なバイオマス燃料供給体制を構築します。

・余剰生産する木質チップの近隣熱需要家施設での利用や、発電時に副産物として生まれるバイオ炭(チャー)の農業利用を推進します。

■当事業の3つのポイント
①地域主導:発電事業主体を、地元関係者と新設した株式会社(出資比率 地元66%:地域外(シン・エナジー株式会社)34%)で行うことで地域主導の意思決定を可能にします。

②林業:地域ではこれまで海外からの化石燃料の輸入に頼ってきました。その結果、木材の燃料需要が減り、林業の需要は主に建築材需要にとどまっていました。今後は海外動向の影響を受けにくい地域バイオマス産業を基軸に、地域のエネルギー需要を賄うことが重要です。

③熱利用:ガス化発電では、余剰熱を様々な木質燃料の加工のために有効利用することができます。

当社は、エネルギーの地産地消を通して、地域が豊かになる事業に取り組んでまいりました。朝来市においても「朝来市森林ビジョン」の実現に向けて、地元の未利用材を活かし、熱電併給システムの導入によるエネルギーコストの削減や地域資源の循環に寄与し、地域とともに持続可能なまちづくりに貢献してまいります。

■事業概要
発電所名:一生野銀山バイオマス発電所
建設場所:兵庫県朝来市生野町猪野々47-1
発電事業者:生野銀山バイオマス発電株式会社
定格出力:900kW(150kW×6台連結)
年間発電量:約7,000MWh(一般家庭の約1,600世帯分)
※(世帯当り4,258kWh/年で算出 出典:【環境省】令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果の概要)
着工予定月:2023年8月
発電開始予定月:2024年春
協力業者:
【発電事業】生野銀山バイオマス株式会社(播磨基礎電源株式会社、グローバル建設株式会社、シン・エナジー株式会社)
【燃料供給】株式会社山田林業、他地元林業事業者 等
【工事施工業者】シン・エナジー株式会社
【発電所オペレーション】株式会社山田林業

プレスリリース(PDF)

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