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2023.08.09 【独自技術】消化液の減圧濃縮技術をバイオガス発電所に導入 ~消化液の処理、利用における課題を解決~

当社は、三和電気土木工事株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長:森 博明)が建設工事を進める「かぶとバイオファーム発電所(岡山県笹岡市、以下同発電所)」において、同発電所から発生する消化液※1の前処理設備および濃縮設備の工事を受注しました。当社独自の消化液減圧濃縮技術※2を全国で初めて導入します。
※1:有機物からメタンを回収した後に残る液体
※2:【特許公開番号】特開2022-179446

■バイオガス発電所と消化液の現状
バイオガス発電所は、生ごみや家畜ふん尿等の有機物を微生物が分解したときに発生するメタンガスを燃料にした発電方法で、メタンガスを回収後に肥料成分を含む「消化液」が生成されます。
既存のバイオガス発電所では、この消化液を液肥として農地還元していましたが、濃度が薄いため大量の液肥を散布する必要があり、コストと労力がかかります。農地還元できない場合、河川等に放流するための水処理施設が必要で多大なコストがかかることから、バイオガス発電所の導入障壁となっています。

■消化液の処理・利用における課題
・ 消化液を肥料として使用する機会が少ない。
・ 消化液を水処理する場合、維持管理等の処理コストが高い。
・ 液肥の輸送および散布に係る高いコストと労力がかかる。
・ 消化液の散布後にアンモニア由来の臭気が発生する。

■本事業について
当社はこれらの課題を解決するべく、独自の減圧濃縮技術を開発し、消化液の処理コスト、環境負荷の低減(輸送にかかるCO2削減、アンモニア揮発の抑制、化学肥料の使用量削減)が可能となりました。
本事業では、この独自技術を全国で初めて同発電所に導入し、減圧濃縮処理における先進的な事例として消化液の農業利用を促進し、地域資源の循環利用に貢献します。

■当社独自の減圧濃縮技術の新規性・独自性
・ 独自の前処理を施すことで濃縮時の発泡を抑制することが可能。
・ 消化液を濃縮することで肥料成分が濃縮され液肥の散布量が半減し、散布コストと労力の削減が可能。
・ 濃縮後の凝縮水※3の河川放流および再利用が可能。
・ 消化液散布後のアンモニア由来の臭気を抑制することが可能。
・ バイオガス発電所から発生する余剰排熱を活用することで、エネルギーの有効利用が可能。

※3:濃縮時に蒸発、回収した水分

当社は、エネルギーの地産地消を通じ、地域が今ある魅力を生かし、より豊かになる事業に取り組んでいます。この消化液減圧濃縮技術により、これまでバイオガス発電所の導入が困難だった地域を含め、全国でのバイオガス発電所の普及を目指していきます。

【かぶとバイオファーム発電所概要】
発電所名称:かぶとバイオファーム発電所
建設場所:岡山県笠岡市カブト中央町182番地
発電事業者:かぶとバイオファーム合同会社
敷地面積:約9,900㎡
定格出力:1,427kW
施設規模:乳牛ふん尿約250ton/日
着工月:2023年7月
発電開始予定月:2024年春
発電所建設工事:三和電気土木工事株式会社

【前処理設備及び濃縮設備工事概要】
建設場所:岡山県笠岡市カブト中央町182番地
消化液処理規模:292㎡/日(全量処理・約2倍濃縮)
着工予定月:2023年11月
完工予定月:2024年春
発注者:三和電気土木工事株式会社
建設工事:シン・エナジー株式会社

⇒プレスリリース(PDF)

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