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当社は、株式会社enechain(本社:東京都港区/代表取締役社長:野澤 遼/以下、enechain)の提供するリスク管理アプリケーション「eScan」を導入いたしました。
国際的な燃料価格の高騰等を背景に、日本の電力小売事業は電力のスポット市場の価格変動が大きいことから「電力の調達・販売における適切なリスク管理」を求められています。
電力事業を主管する経済産業省資源エネルギー庁では、市場リスクマネジメントに関する指針※1が公表されており、地域や需要家に対して安定的な電力サービスを実現する観点から、小売電気事業者においては、「スポット市場の価格や需要の変動リスクを定量的に評価し、そのリスク量が経営体力の範囲内に収まっていることを定常的に管理することが望ましい」と位置付けられています。
※1 参照元 https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/
regulations/pdf/shijoriskmanagement.pdf
当社では、これまでも電力小売事業におけるリスク管理を最重要課題と位置づけ、安定した電力をお客様に供給するため様々な需給オペレーションを行ってまいりました。
今回、更なるリスク管理体制の向上のために、ETRM(Energy Trading and Risk Management)※2と呼ばれるリスク管理システムの導入を比較検討してきました。
※2 電力・燃料(石炭、石油、ガス等)に係る各種取引とリスク管理を表す言葉
「eScan」は、enechainが提供するエネルギー取引を支援する付加サービスのひとつです。需給ポジションの定量的な把握・最新の価格データを基にした粗利益、EaR(Earnings at Risk)※3の評価・調達条件変動時のシミュレーション・市場価格高騰時のストレステストなど、小売電気事業のリスク管理に必要な機能が体系的に網羅されており、「実態に即した包括的なリスク把握機能」や「カスタマイズ性の高いレポーティング機能」「グラフィカルで分かりやすいインターフェース」などの面で優位性を持っているため導入の決定にいたりました。
※3 過去の実績に基づき、将来の市場価格の確率分布を想定し、小売電気事業者にとって不利な方向に大きく価格が変動した場合に、どの程度の損失が生じうるかを、その確率とともに定量化したもの
なお、リスク把握時に必要となる将来の電力価格や燃料価格などは、enechainのマーケット分析プラットフォーム「eCompass」と日々連携されるため、常に最新の価格データに基づいたリスク把握が可能となります。
また、同システムには電力小売料金の見積り機能の追加が予定されており、お客様に対し、市況や燃料の変化に応じた適切な料金提示が可能となります。
enechainは、日本最大※4のエネルギー取引所の運営者として、”Building energy markets coloring your life” というミッションを掲げ、透明性と信頼性の高いエネルギー取引の拡大に取り組み、卸電力や環境価値の取引機会を提供しています。主力の卸電力の出来高は累計1兆円を超え、国全体の「エネルギー価格の変動による影響の最小化」や「経済の安定化」に貢献しています。至近では環境価値の取り扱いも始め、脱炭素社会の実現にも注力しています。
※4 enechain調べ
参照元 https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/setsuden_dr/pdf/001_01_02.pdf
当社は、enechainが提供するシステムを最大限活用し、お客様への適切な電気料金プランの提供、及び電力の安定供給を実現し、お客様に安心して電力を使っていただけるよう邁進してまいります。